上司の手しごと

今日は、昔の上司とランチを食べました。


以前ここで書いた“プラダを着た悪魔”のような強烈な女上司です。(2007年10月27日)


本日呼び出された用件は、「お取り寄せした無農薬野菜をわけてあげる」というもの。


( く∀ま)<じゃあ、せっかくですからランチでも。
( 上 o司)<しょうがないわねぇ。


あいかわらずのクオリティなんですけどwww


まあ、慣れっこです。呼び出した時間的に、ほんとは誘ってほしかったに違いないのです。


有機食材を使った中華屋さんでお得な1000円ランチを食べまして、お野菜のお礼にここは私が…と言いますと、わりとうれしそうに「あら、ご馳走さま」と言っていました。


店を出まして、さて帰ろうかなと思ったら、


( 上 o司)<あら、お茶も飲まないの?


と言われたのでシマッタと思い、そこが上司の住む街でもあったので、「あ、そうですね。じゃあお気に入りのカフェに連れて行ってください」と言いましたら、またまた


( 上 o司)<しょうがないわね〜。


といって、連れて行ってくれましたw


レトロというわけでもなく、おしゃれというわけでもない、わりとフツーの喫茶店でしたが、マスターと懇意のようで、椅子に座るやいなや、


( 上 o司)<いつものね。


と、注文していました。そして、


( 上 o司)<あなた、コーヒーでいいでしょ?


と、私の注文までしてくれようとしていましたがw、マスターがいちおうメニューを持ってきてくれまして、まあでもそう言われたのでコーヒーにしました。したらば、


( 上 o司)<あなたっていつもコーヒーよね。飽きない?


いや、確かにコーヒーが多いですけど、いつもいつでもコーヒーというわけではw


あいかわらずのハイクオリティ。でも慣れてます。


それに何を言われたところで、以前よりずっと気が楽なんです。彼女はもう上司じゃないから。


上司のほうも、一緒に仕事をしていた頃には話さなかった話をします。


どうやら彼女は編み物や洋裁が好きらしい。手しごと、というやつです。


( 上 o司)<没頭して手を動かしていると呼吸が楽になるの。嫌なことを忘れるし、心のリハビリね。


はぁ。生きにくそうな人だからなあ…。


で、つくったものを通っている整体院のセラピストに見せたら、とっても褒められて、作品をアップするブログをつくったら?とすすめられ、先日ほんとに開設したのだとか。


( く∀ま)<そうなんだー。URL教えてください。
( 上 o司)<検索ぐらいしなさいよー。
(; く∀ま)<えっ、じゃあタイトル教えてください。
( 上 o司)<あ、そっか。


という相変わらずな会話がありまして、まあ無事にそれは教えてもらえたんですけど、逆を辿られると困るからここには書けないw ごめんw


( 上 o司)<あなたはブログくらい持ってないの?
(; く∀ま)<えっ、いやー、私はそういうのはちょっと。
( 上 o司)<ふうん、いまどき遅れてるわね。だめよ、それじゃ。


いかに蔑まれようと、絶対にこのブログの存在を知られたくございませんw


まあ、それはともかくですね、彼女はほんとに手しごとにハマっているらしく、あんなのつくったこんなのつくったと楽しそうに話しています。


仕事の鬼だったのに良い形でリタイアできた人じゃないから、この先なにを心の支えに生きるんだろうと思っていたけれど、時間を忘れるほど楽しめることがあってよかった。


( 上 o司)<セラピストの口コミで、いくつかオーダーも入ったのよ。
( く∀ま)<本格的なんですねー。どんな感じなんだろう?
( 上 o司)<あら、見にくる? うちに来ればつくったものを見られるけど。
( く∀ま)<ああ、じゃあ、ぜひ。


というわけで、上司の家にお邪魔することに。


そしたらね、またおっかしいのw お店を出るなりね、


( 上 o司)<まったく、うちにくるなら最初から言ってくれたらよかったのに。ここでお茶飲む必要なかったじゃない?


だってw


そんなのこっちはわかんないよ。作品見せるつもりなら、そっちが最初から誘えばいいじゃんねぇ?


まったく困った人だわと思うけれど、案外こんなふうに、いつも自分に都合よく世界が回っている人は多いかもしれない。


そして生きにくい、生きにくいと言うの。


私だって時々は、そうかもしれない。




見せてもらった作品は、世代が違うからセンスが合うとは言い難かったけれど、以前の彼女の仕事ぶりを感じさせる細やかな仕上がりでした。で、


( 上 o司)<あなたにもなにかつくってあげてもいいけど。


とおっしゃるのでw、ありがたくオーダーをしてきました。




帰り際、彼女はわりと気分よさそうに笑っていました。


人と関わる方法はさまざまで、彼女にとってはこれが楽なんだなと、帰りのバスで思いました。