自分の思うように、帳尻を合わせながら

今日、仕事でお会いした、とある企業のオーナー社長は、
とても魅力的な方でした。


35歳で独立し、現在42歳。
ものづくりに徹底してこだわり、
自分がいいと思ったことしかやりません。


楽しいことや面白いことが大好きで、
傍から見るとふざけてるように見えることもあります。


「人の言うことなんか聞かなくていい」という。
「自分がやりたいようにやりゃあいい」という。


ある意味、ワンマン。独善。
典型的ビックマウスの男。


でも、いやな感じはしませんでした。


実際問題、彼のビジネスは市場に受け入れられて
業界では革新的ともいえるほどの業績を上げているし、
語り口もうわすべりなところがなく、不思議と実直な感じさえしたのです。
まなざしもどことなくシャイで、知的なたたずまいがありました。


しかしあまりに楽しそうに仕事のことを、
そう、まるで文化祭の実行委員長でもやってるかのように話すので、
私はふと「社長とお話をしていると、学生時代の楽しさを思い出しますね」と口にしました。


すると彼は笑って、「でも、なんとしても帳尻を合わせるのが学生とは違うところです」と言いました。


その一瞬、彼が見せた表情が非常に魅力的で、とても印象に残りました。


彼は数少ない、「有言実行」できる男なのでしょう。


デカイことを言うし、好きなことをやる。
ただし、きっちりオトシマエをつける。必ずスピーディーに(ここ重要)結果を出す。
それが単なる妄想とビジネスの大きな違いだから。


私は仕事であれなんであれ、「結果を出す」ということには
わりとシビアに取り組むほうだと思います。


努力すればOKという気持ちはなく、つねに「結果を出さねば」と思っています。


だけど、だからこそ、「自分の好きなように」ということに関しては臆病です。
自分の好きなようにやって結果を出す自信がないのです。
むしろクライアントが求めることは何かを察知しようと努力し、
うまく照準を合わせていくことで成果を上げていくタイプです。


だから、彼と話していてとても妬ましかった。
嫉妬しました、彼のスケールの大きさと力量に。


私は男性に対して辟易することが多いのですが、
こういうスケールの、なんていうのかな、
野武士みたいな人間が男性に多いというのは認めざるを得ないと時々思う。


私も自分が好きなことを自分が好きなように、
いつか勇気を持ってできるように、


そしてそれを単なる妄想とか、口先とか、ビックマウスとかいうことでなく、
帳尻まで合わせられるようになりたいなと、しみじみ思った一日でした。