Libertableリベルターブル@表参道

表参道のクリスマスイルミネーション、今年は例年よりも多く点灯しております(LED90万個!)とかで、キラキラととても美しい街並みとなっています。




さて先日、表参道にあるフレンチレストラン「Libertableリベルターブル」に行ってきました。
リベルターブルは、お隣にあるミシュラン一つ星店「L'EMBELLIR ( ランベリー ) 」の姉妹店でシェフがパティシエという変わったお店。
デセール主体のコースを愉しめるという、デザート好きにはたまらないお店です。


まだオープン半年とのことで私は知らなかったのですが、さるもさんはずっと気になっていたらしい。
では、行ってみましょうということになりました。



テーブルに案内されるとこんな素敵なセッティングが!
薔薇の花びらをオーブンでドライにして、塩の塊と一緒に飾ったものだそうです。
なんてきれいなの! じいいいいいっと見て「……食べられないですよね?」と訊いた私に、高橋Qちゃん似のかわいいサービスのお姉さんが「召し上がれますがおいしくはありません」と微笑みました。そりゃそうよね(笑)。
でも、この一皿でこれから出てくるお料理の美しさを確信し、期待が高まりました。



アミューズブーシュ。
なんだったっけな…、おいしかったけど忘れちゃった;



季節のフルーツサラダ リベルターブル風。
36種類のフルーツと野菜が一皿に盛られています。
白い泡は、コンソメのムース。
うっすら甘くてフレッシュで、とてもとてもおいしかったです!



フォアグラのクレームブリュレ。きのこのブルーテ、林檎のアイスクリーム。
パティシエがシェフだとフォアグラもクレームブリュレになるのね〜。びっくり。
写真はソースがかかった状態ですが、テーブルに運ばれて来た時は焼き目が見えていてクレームブリュレだ!って感じでした(テーブルでソースをかけてくれます)。
とても濃厚でおいしく、アイスクリームとも不思議なほど調和しています。



温かい種なしピオーネと鶉(うずら)のグリエ、シードルヴィネガーのラケ。
ピオーネはオーブンで5時間もかけて濃縮させてるんですって!
ほんとにこのお店はなんでも手をかけてます。
盛りつけも洗練されていて、かつ、かわいらしくてうっとり…。



この一皿が、私は衝撃的でした。


本来は黒いちぢくの一皿だったようですが、入荷がなかったとかで、山形産の洋ナシをつかった一皿となっていました。
上に乗っているパリパリした飴を割りながら、一口食べてみて「……ん?」。
これまでのお皿が濃厚だったせいでしょうか、味が淡すぎて、一瞬、物足りないように感じたのです。
甘い洋酒でもかけたら合いそうなのにな…、そう思っていたら、さるもさんが言いました。


「これは雪景色だね。これからやってくる季節を先取る、料理によるほのめかし」


ハッとしました。
そういえば薄い飴は薄氷のよう、すべてが白く、粉雪が散っているよう。
そしてこの味は、子どもの頃に好奇心で雪を食べてみた時に感じた、あの淡すぎる、すこし物足りないような気配なのです。
淡く、だけど清廉でしみじみと深い……。


私は本当に、自分の感受性の鈍重さを恥じました。
すばらしい料理は作り手の感性だけじゃない、食べ手の感性さえ試されるのです。
味が足りないから甘いお酒をかけたらだなんて、なんて愚鈍で平凡な私の感性…。


後ほど、見送りに出てくれたシェフに尋ねたら、やはり「初雪のイメージです」とおっしゃっていました。
このシェフがまた若く美しい男性なんですが、とても清潔でストイックな風貌なのですよ(公式サイトにお写真あります)。
お料理はスイートですが、その奥にあるプロフェッショナルということの凄味、徹底した甘えのなさによる美しさを感じさせられた経験でした。



ヘーゼルナッツとショコラのフォンダン 栗のソースとトリュフのアイスクリーム。
こちらはうってかわって濃厚で温かみのあるお味。うまく組み立てられているのですね。
しかし、トリュフのアイスを食べる日が来るとは驚いたわ…。
甘さ控えめでおいしい。ちゃんとトリュフの風味があります。



小菓子とコーヒーで終了。
コーヒーも豆から選ばせてくれるこだわりぶりです。
この一皿の前に、お口直しで塩味のマカロンが出てきたのですが写真がない!!!
すっごくおいしかったのにー! ラデュレのマカロンよりおいしかったのにー!!!


というか、私は今年、最もすばらしいと感じたレストランでした。
すべてが綿密で、美しく、意欲的で、おいしすぎる!!!
サービスも感じが良く、コストパフォーマンスが非常に高いと感じます。


でも、デセール主体ですから全体に甘く、人によっては無理と感じるかもしれません。
デザートヲタのさるもと私でさえ「それにしても甘かったね」と言い合ったくらいですから、相当でしょうw


でも、女子は好きだと思いますねー。
小ぢんまりしていますが、クリスマスやお誕生日など、特別な日にとても喜ばれるお店だと思います。


美と健康を気にしはじめると、たいていの外食はNGになります。
でもこのようなプロフェッショナルな味は多少お値段が張ってもわざわざ出かけて食べる価値があり、おいしい!と胸が震えるような時間を過ごすことが人生の喜びだと、私は思うのです。