さあ、『青い花』
雪ぐまのやつ、これだけ百合漫画にハマってるふうなのに、
なんであの作品を持ち出してこないかねと思っていた皆さん。
お待たせいたしました。
志村貴子センセイ『青い花』、読ませていただきましたm(_ _)m
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2011/05/12
- メディア: コミック
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この作品はね、以前から、淑女連の腐女子担当・モル美たんに、激推しされていたんです。
モル美たんが、大阪の実家から東京に出てくる時、図書館が開けそうなほど収集した漫画を泣く泣く置いてきたのに、「これだけは」と、萩尾望都センセイの御作品と共に、そっと鞄に忍ばせてきた一作でございます。(泣ける―)
というのを知ってたので、あの漫画はいつでもモル美に借りられるわと思ってるうちに後回しになっていたの。
一度、モル美の部屋で1巻をパラパラっと読んだ時には、「ふうん…」って感じだったしね。
だがっ!!!!
モル美よ、私がうかつだった。
いつものことだが、私は後から気づくのである。
6巻までドサッと借りて、さーて…と読み始めて、1巻2巻くらいまでは、やっぱなんか茫洋とした話だなあ…って退屈してたの。
「なんなのこの杉本って先輩は……」って、イライラしていたしね。
(杉本先輩ファンの皆様ごめんなさい)
ところが4巻くらいからああた、物語に引き込まれるっていうか、吸いこまれるっていうか。
なにが起こってるってわけでもないんだけど、ふみちゃんの表情とか、コマの余白とか、線とか、空気とか?
とにかくすこし話が進むたびに、なにやらいちいち胸がキュンキュンしだしちゃって、
6巻では例のシーンで、ぐぎゃー!!!となり、その後のクリスマスでこれかよ!と身悶え、
ひたすらハァハァした後に、ぱたんと本を閉じて、しばしボーッとなって、「……で、7巻はいつ出るの?」と呟いていたというw
いや〜、百合モノとしても飛び抜けてすばらしいんですけど、おそらく、漫画としてまず、とんでもなく素敵なんですね、『青い花』は。
あまりに感激した私は、やはり『青い花』を激賞していた読書通の友人にメールして語り合ってしまったのですけれど、
そこでお互いに不思議がっていたのが、『青い花』ってキャラが魅力的かというと、どうもそうではない気がするのですよ、ということ。
あの中で誰が好き?って訊かれてもいまいち迷っちゃうというか、私は上田さんはいいなと思いましたけど、ふみちゃんも、あーちゃんも、かわいいけどでもなんか……って感じがする。
杉本さんはなんだかなだし、京子さんも見た目は素敵だけど惜しい、的な。
誰かにドーンと惚れる、ハマるって感じにはならない。
でも、見ていたい。眺めていたい。ずっとこの世界を。という感じ。
だから、これぞ物語の力、絵の力ということなのでしょうか。よくわかりませんけれども、不思議な読後感でした。
『青い花』で誰が萌えるって、これだけのものをお描きになる志村センセイかもしれん、とか思ったものw
にしても、ふみちゃんはよく泣くなあ。愚図なんだか暴走なんだかよくわからないし。ヘタレw
でも、やっぱあーちゃんが受けなのかしら? いや、凛々しいとこあるし、攻めかしら?
ここで上田さんが実はあーちゃんが好きよとかなって、長身×おちびちゃん×長身の三角関係とかどうかしら?
とか、もやもや妄想してしまう私は、あの光溢れる作品世界を汚してしまいそうw
てゆうか、木漏れ日の感じとかすごいよね! なんじゃあのエアリーな感じ。
とかね、俗っぽくブツブツ考えながら、まだ思い出すとボーッとしてる。
出会えてよかったと思えた、心に残る百合漫画でした。