ちなみにトゥーランドットは

率直にいうと、主役2人は冴えなかったなーって印象。


なっちや早乙女くんなど、脇の若手のほうがフレッシュで、声にも張りがあって、情感もあって、ずっと魅力的でした。獅童さんも歌はちょっとあれっ?って思いましたけどw、情熱的で魅力を感じました。


脚本や役どころのせいもあるのかなあ? 脇の3人は、報われない、叶わぬ恋に身を捧げているのです。その哀しさやひたむきさが伝わってきて、観ていて切なくなるのです。でも、どんな適役でも、演技力がなければ観客の心を動かせないでしょうしねぇ。


とくに早乙女くんすごい。私、なんでこの子がこんなに騒がれてるのかなあ?って思っていたのですが、舞台を観て納得しました。一声発した瞬間に、彼の周りにポッとやさしい灯りが灯ったようになる。やわらかな甘い語り口に、そこはかとなく漂う色香。キター!って感じに半裸でむち打たれる早乙女くんの傷ついた背中に、なぜか獅童さんが頬を寄せてなにやら囁くやおいシーン(?)にはワタクシかなりドキドキしてしまいまして、これはもっとアップで観なければと2幕の前にオペラグラスを購入してしまいましたw 


2幕は、なっちと早乙女くんの萌えシーンが炸裂でしたね。お互いのファンの皆さんは、かなりヤキモキする感じではないでしょうか。でも、美しくもはかなげな歳下の少年と、いつまでもピュアな少女のようなお姉さんなっちという組み合わせは思いのほか萌え要素が強く、叶わぬ想いを慰め合う孤独な動物のような二人に、ああこのまま二人で逃げてしまえばいいのにと思っていると……おっと、ネタバレしすぎですねw


対して、肝心の主役の2人は、ふうん…って感じなんですよね。感動的なはずのラストシーンも、あ、そぉ…って感じで萌えない。勇者はちっとも勇者のようじゃないし、姫はちっとも姫のようじゃないんだものー。運命も感じないし、カリスマ性にも欠けるし、ちょっとミスキャストかなと思います。


でも、それをさておいても、とても華やかな舞台。チケットはソールドアウトで入手困難なようですが、もしチャンスがあればぜひ観ておいたほうがいいんじゃないかなあと思います。とくになっちファンは必見。おそらく彼女のターニングポイントになる仕事なのではないかと思います。