あやごま小説『ふたりは最強』(後編)

こんばんは。「天国で被災者のお役に立ちたいと思います」というスーちゃんの言葉に涙した雪ぐまです。


そうだよこの有事の折にあやごま小説投下して喜んでる場合かあたし…、という気もしつつ、こっそり続きを貼りつけます…。


こっそりお楽しみください…。


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ぜーんぶぜーんぶ終わったあと、ごっちんは、
んああと呻いて頭を抱え、ボスンと枕に突っ伏した。
なんてことしちゃったんだあ!!!ってな感じに。


なによ、いまさら。
まぁったく、最後のほうなんて、
もっともっとって大騒ぎだったくせにね☆


そっと髪を撫でると、ぴくんと肩が揺れた。
なんてきれいな肩のラインだろう。
吸い寄せられるまま、あたしはそっと唇をつける。


「好きよ、ごっちん


ごっちんが、チラと目をあげる。
そいでから小さくため息をついて、また枕に額を沈めた。
大っきな耳が、まっかっかーに染まってる。
かわいいなぁもう。あたしは笑った。


「ホントごっちんってかわいいねぇ」
「………なにがぁ?」
「ねぇ、もういいじゃん。こうなっちゃったんだし」


うーーー。
再び、ごっちんが枕に突っ伏して呻く。
あたしはひらりと立ち上がり、
ごっちんのためにミネラルウオーターを持ってきた。


「はい」
「……ありがと」
「飲ませてあげよっか?」


いいよって怒るかと思ったら、
ごっちんはこっくり頷いて、のそのそと起き上がった。


その唇にペットボトルのふちをグイと押しつけると、
上目遣いでジロッと睨む。
そのかわいいことったら!
あたしはまたも笑っちゃって。


「わかってるって。怒んないでよ」


そっと水を含み、唇を寄せる。
拗ねたように尖ってた唇がゆっくり開いて、
ごっちんは初めて、あたしから水を飲んだ。


「おいしい?」
「……熱い」


熱い?
首を傾げたあたしに、ごっちんはかすかに笑った。
それから恥ずかしげに目を伏せて、胸の中がねって呟いたんだ。

 
「胸の中が熱い」


素っ裸でシーツにぺったり座り込んで
ぼそりとそんなことを呟いてみるごっちんは、
なんだかすごーく、ものすごーく女の子って感じで、
あたしはもう頭から丸ごと食べちゃいたい!みたいなキモチになって。


ごっちん、かーわいい!!」


ぎゅううと胸に抱きしめる。
もうほんとにほんとに大事にするからねぇ〜!!!って叫んであたしは、
ごっちんのオデコにゴシゴシと頬をこすりつけた。


なのにごっちんったら、またもや浮かない声なんてあげちゃってさ。


「あーあ、泣かされるヨカン」
「なんでよー?」
「だって、亜弥ちゃんだもん」


なんであたしだと泣かされるのよー?
プーッとふくれたあたしに、
だってさぁ〜とごっちんはゴロンと横を向いた。


「亜弥ちゃんは頭がイイので、これからも活躍のバがいっぱいあり〜」


 世界に羽ばたいちゃったりするわけですよ。
 あたしはバカなので歌うしかノウがなくー、
 そのうちにお客さんに飽きられちゃってー、
 亜弥ちゃんにも飽きられちゃってー、
 橋の下で、ひとり震えながら死んでゆくのさ。

 
はあっ、とごっちんはわざとらしくため息。
なんなの、その暗く悲しいストーリーはぁ〜?
あたしは呆れて、ごっちんのオデコをピンと弾いた。


「だーいじょうぶ。ごっちんはねぇ、あたしの事務所に入るんだから」
「亜弥ちゃんの事務所?」
「そ。あたし、女社長になるから」
「ああ、なんかテレビの占いでそう言われてたね」
「ウン。もーねぇ、ピンときちゃってるから、あの話」


いいですかぁ? よーく聞いてくださいねぇ?
あたしはエヘンと咳払いをひとつしてごっちんの目をのぞきこみ、
あたし流のストーリーをじゃじゃんと披露したのです。


 ワタクシはですねー、もちろん世界に羽ばたきますがぁ、
 そのうち皆様に惜しまれつつ百恵ちゃんのように引退します。
 そう、伝説のアイドルとして人々の記憶に残るのです!


 ごっちんはその間、歌はもちろん女優としても活躍し、
 テレビドラマにばんばん出て視聴率女王の道を大爆走。
 そしてワタクシが設立した芸能事務所へ移籍後、
 濡れ場も辞さぬ演技派女優として、ガッポガッポと荒稼ぎ〜〜! 


「ちょっと待って! なんか最後のほう、ヘンじゃなかった!?」
「にゃはは〜。気にしない気にしなーい♪」
「ヤダよー! 濡れ場なんてヤだよー!」
「そうだねぇ、また腸炎になっちゃうねぇ」
「そうだよー、お願いだからそういう仕事はとってこないでよー」


そんなふうにゴネゴネ言っちゃうごっちん
ほんとにもーどうしようかってくらいかわいくて、
あたしはヨシヨシなんて髪を撫でたりなんかして。


「ダイジョブ。あたし、もう見せたくないもん」
「んあ?」
「誰にも見せたくない。さっきみたいなごっちん


ごっちんはサルかってほど真っ赤になってあたしをバーンと突き飛ばし、
ハダカにぐるんとシーツを巻きつけると、
プイッと向こうをむいてしまった。


あたしはもう、ハラをかかえて大笑い。
あーもう、なんてかわいいんだろ、ごっちんって!
ホント、ステージとは大違いなんだから!


「あはははははは…!くくくくくくく……」
「もおぉ! だからヤだったんだよー!」


ぜったい、ぜったい、からかうじゃーん!
だから亜弥ちゃんとこーゆーことするの、ヤだったんだよぉーーー。


ぐずぐずと彼女はそー言って、でもやっぱりチラとあたしを見た。
はいはい、わかってるって。
あたしは背中からすっぽりと彼女を包み込んで囁く。


ごっちん、好きだよ」
「うーーー……」


ほら、もっと寄りかかっていいよ。
囁けば彼女は頬を染め、おとなしく目を閉じる。
胸が熱い、喉が渇いたと訴えて、さりげなくキスをせがむ。


あたしはなんだか伝説の宝物を手にした海賊みたいな気分。
もう誰にも渡さないよ?とか、思うわけです。


「とにかく、あたしのほうのストーリ−でいくからね?」
「濡れ場なし?」
「なし。それでもゼンゼン成功するって、あたしの事務所は!」
「あはは」


亜弥ちゃんが言うと、ほんとにそんな気がするよねー。
腕の中でごっちんは楽しげに足をパタパタした。
それからヒョイと顔をあげて、いつもみたくニッと笑ったんだ。
共犯者みたいな、妙にいたずらな笑顔で。


「そーなっても、うちらのカンケイってやっぱ内緒かな?」


そーかもね。
でもいいジャン別にそんなこと。


後藤真希松浦亜弥
二人が最強の組み合わせだってこと、
誰だって一目見たらスグわかっちゃうんだから、ね?


☆おしまい☆

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いや〜、だらだら書いてるねーw
これ、書いてて絶対にやにやしてるんだよね、あたしw


にやにやしながらだらだら妄想書いて、でもま、いまいちだから貼るのはやめとこ、みたいな。


そんなだったんでしょうね、懐かしいな^^


ところで、あやごまってあんまり人気ないのかな? 
私はけっこう好きなんです。


いつだったかな、あやや紺で中野に行った時、招待席にごっちんがいて、あややがステージからいきなり「ごっち〜ん!」って手を振ったのよね。


あの時のごっちんの超びっくりしたような、すごく恥ずかしそうな、でも、ものっすごくうれしそうだった横顔。


私、ファミリー席派だから、たまたまけっこう近くにいたのよ。


ほんとうれしそうだったよ、あの時のごっちんは。
友達いなくて、「ぽ」って言うごっちんだった。
かわいいよねぇ、ほんと^^