いしよし小説「ルームナンバー1444」第四話

今夜は自主的に飲んだのではなく、飲まされちゃってへろへろです〜。
でも、今日はとても意義深い体験をしました。
そのお話は、また今度、書きたいと思います。


さてさて、酔い潰れそうでも更新する私ってえらい!(自画自賛
約束したもんね(^^)
「ルームナンバー1444」第四話をアップします。
今夜もお楽しみいただけますように……。


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ベッドの上の彼女は、まさに乱れ散る花のようだった。
その激しさに、炎のような欲望に、あたしは圧倒される。


髪をつかんでキスを求める手慣れた仕草が、激しく嫉妬をかき立てた。
だけど、それ以上にあたしは気が狂っていた。
もっともっととせがまれるほどに、欲望の針がビリビリと振り切れた。


「やだ。帰らないで」


せがまれてあたしは、彼女の部屋で朝を迎えた。
彼女は、当然のようにあたしの腕の中に潜り込んで眠った。
あたしの胸を包み込むように優しくさわって、
時々先っぽにキスしたり、ちょっと噛んでみたりする。


くすぐったくてあたしは身をよじったけど、幸せだった。
腕枕してる腕が軽く痺れたけど、がまんした。


彼女の髪から、からだ中から、
どうかしてると思うほど甘い女の子の香りがして、
あたしはただうっとりと目を閉じた。


次の日も休みたかったけどそうもいかず、
寝ている彼女を残して、こっそりと部屋を忍び出た。
廊下で同僚に出くわしてヒヤッとする。
そんなこともドキドキした。


仕事をしてる間中、ふわふわと宙に浮いてるようだった。
昼休み、あたしはダッシュで友達にバイクを返しに行き、
家に寄って母親に「今日も帰らないから」と告げてホテルに駆け戻った。


約束したわけじゃないけど、今夜も彼女の部屋に泊まる気だった。
きっと受け入れてくれるという自信があって、あたしはほんと有頂天だった。


やっと仕事を終えて、古びたエレベーターにさりげなく飛び乗る。
彼女の部屋がある最上階まで辿りつくのももどかしく、
表示ランプを見上げてあたしは、そわそわと足踏みしていた。


他の従業員に見つからないよう、慎重に廊下を見まわし、
彼女の部屋にすばやく駆け寄ってドアをノックする。
ややあって、「……よっすぃ〜?」と怯えたような声。
そうだよと言うと、魔法のようにドアが開いた。


せっかちな妖精があたしの腕を引き入れ、
ガチャンとドアを閉めて、首にすがりついてくる。


「もう、来てくれないかと思った……」
「遅くなってごめん。でも、仕事終わってすぐ来たんだよ?」
「だって、お昼も空いてるって言ってたじゃない」
「えっ…、あ、ごめん、観光とか出かけてると思って」
「バカ、出かけてるわけないじゃない」


待ってたのに……と、彼女は拗ねたようにあたしの肩を叩いた。


「時間、ないんだよ?」


面食らってあたしは、一瞬よろけて壁にもたれる。
抱きしめた彼女の身体は驚くほど熱くて。


「もしかして、すっごい飲んでる?」
「……飲んでるよォ、朝からずっと」


 よっすぃ〜、行っちゃうし。
 起きたら、いないんだもん。


恨めしげな上目遣い。
潤んだ瞳は酒のせいなのか、それとも……。


「……いいの? 観光とかしなくて」


彼女が激しくかぶりを振る。
とうとう涙が飛び散るくらい激しく。


「どこにも行きたくないよ。あなたとこうしてたいの」


そのまっすぐな言葉は、あたしに自信を持たせた。
肩をつかんで押し倒すと、彼女は両手を広げてあたしの背を強く強く抱きしめた。


=続く=
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また、明日更新します。
次回最終話です。